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このページは、『 熊本日々新聞 』 に連載した一部で、それに写真を追加したものです。
テーブルマウンテン
 テーブルマウンテン上からケープタウンの街を望む
アフリカ大陸最南端の都市ケープタウンは人口190万人を擁する南アフリカ共和国最大の都市であり、共和国議会を持つ立法府の首都でもある。この街の歴史はそのまま南アフリカの歴史でもある。1652年、オランダの東インド会社の補給基地として初めて開発され、その後ヨーロッパ移住者の植民地開拓の起点ともなった。
そのケープタウンのシンボルが、街を見下ろすようにそびえる、高さ1086メートルの、山頂が真っ平らの台形の岩山、テーブルマウンテンだ。  マウンテン上に咲いていた名も知らぬ花
マウンテン(山)と言っても造山活動で出来た山ではなく、太古に隆起した地層が浸食されてここだけ残ったものらしい。この山の南側は海で、陸側も山が無く、その為に強い風が絶えず当たってその上昇気流でいつも雲が懸かっていた。地元の人に聞くと、その雲の形は一日として同じ日は無いという。
ここに居た2週間の間、一度だけテーブルクロスと呼ばれている状態の雲を見ることができた。それは雲が平らな山頂に薄く乗り、その端が崖から流れ、流れ落ちる途中で消えているという正にテーブルに敷いたテーブルクロスのような状態で、これがテーブルマウンテンという名が付いた理由と言うのもうなずけた。
さて、その強風の為、時に山頂の天候は激変する。下が晴天でも上は嵐、ということもよくあるらしい。街に居ても時々山の上で鳴るサイレンの音が聞こえてきた。それは、天候の急変を知らせ、下山を促す合図だった。
雲が懸かっていない日を狙って山頂に登った。雲が多い日だと下界が全く見えない、と聞いていたからだ。この山にはロープーウェイで登ることができ、山頂には遊歩道が出来ていてテーブルの“上”を歩くことができた。下から見ると真っ平らだが、近くで見たら雨の浸食でギザギザになっていて、そこに風で運ばれたのか草花が生え、一本だけ小さな木も生えていた。意外なことに、ネコくらいの、穴を掘って暮らしている動物も居た。
 インド洋に日が沈む。ケープタウンの夜景
そして、やはりそこから見える景色は素晴らしかった。街の全景はもちろん、この国最大の港や、大西洋から太平洋へと続く水平線が一望の元に見渡せた。 この日、日が暮れる頃、雲が出てきて、山頂から流れ出すそれと、夕焼けの色とのコントラストがこの世のものとも思えない幻想的な景色を作り出してくれた。
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